情報科学概論 12/24
スペック(仕様)の見方
ノートPCの場合,(1)持ち歩くタイプ(モバイル)か(2)あまり持ち歩かないタイプ(大画面オールインワン)で分かれる。
モバイル系は1.5kg以下で画面は14インチ以下,光学ドライブを内蔵しないことが多い。
オールインワン系は2kg以上,画面は15インチ以上,光学ドライブも内蔵することが多い。
以下(カカクコムの項目)は初心者にとって重要な項目は◎,やや重要な項目は○
基本スペック
- CPU ○:PC全体の処理装置。高速演算(動画変換など)をするなら高機能CPU(Core i7やRyzen 7など)。通常使用なら高性能は不要だが,低機能CPU(Celeronなど)では高画質動画再生がもたつくことも。同じ名前でも世代が新しいと処理能力が高い(インテルは第14世代が最新で,さらにAI処理などに強いCore Ultraシリーズが昨年末に発売された)。
- 画面サイズ ◎:画面の対角線の長さ。大きいほど見やすいが,大きい物は重い。
- 画面種類:液晶画面の駆動方式。
- 解像度 ○:縦横のドット数。多いほど綺麗な画面。標準的なのフルHD(1920x1080)で安いのはそれより低い,高いものだと4Kもある。
- リフレッシュレート:画面の書き換えをする速度。よほどのゲーマーでない限り気にならない
- アスペクト比:画面の縦と横の比率
- ワイド画面 :縦横の比率が16:9 など(4:3より横が広い)。最近のPCはほとんどワイド。
- タッチパネル○:画面のタッチ操作機能
- 2in1タイプ:タブレットのように使えるかどうか?
- 表面処理:グレア(動画などに向く光沢)かノングレア(作業に向く非光沢)
- メモリ容量 ◎:作業する場所となるメモリ。普通に使うなら最低でも8GB。多くのソフトやデータを同時に使うならメモリも多い方がいい。
- メモリ規格:メモリを増設するなら同じ規格で。今はDDR4が中心だがDDR5も多くなりつつある。
- メモリスロット:追加のメモリを差し込む箇所の数。
- ストレージ容量◎:データ保存の容量。HDD(ハードディスク)とSSDがあり,HDDの方が比較的大容量だがSSDの方が高速(特にM.2規格のSSDは早い)。安価なSSDであるeMMCもあるが,低速で容量も少ない。
- ビデオチップ〇:GPUともいい,画面制御をおこなう部品。CPU内蔵のものを使う事が多いが,ゲームなどでは高性能のGPUを必要とすることがある。
- ビデオメモリ:画面制御でGPUが使用するメモリ
- NPU:AIの処理に特化した部品。一部のCPUの機能として動作することもある。
詳細スペック
- OS ◎:Windows11だが,まれにWindows10も売っている(もしくはMac OSかAndroid)。WindowsはHomeとProがあるが,Proは企業向けの機能が追加されているもの。
- Office詳細 ◎:ワープロ,表計算などのソフトの有無。サブスクの365が附属することもある。まれにMicrosoft以外のものも場合もある。
- ドライブ規格 ○:CD/DVD/ブルーレイが読み書きできるか。軽いモデルは内蔵していないことが普通。
- 駆動時間:バッテリーで動く時間。実際は数値より短い。
- インターフェイス○:USBなどのポート(差込口)の種類と数。
- インテルEvoプラットフォーム:モバイルPCで一定の機能をクリアした機種にインテルが認定すること。ないからといって性能が低いとは限らない。
- ゲーミングPC:ビデオチップなどが高性能でゲーム向けのPC
- USB PD:本体のUSBから大容量の電源を供給できるかどうか。
- ファンレス:ファンがなくて静か。その分性能は高くないことが多い
- 生体認証:指紋認証などの機能を内蔵。
- BTO対応:Built To Orderの略で,購入時に機器の構成を自分で選択できる売り方。
- その他 ○:ウェブカメラやBluetoothなどの機能。別途増設できることが多いが,内蔵されていると便利なこともある。
ネットワーク
- 無線LAN ○:無線でネット接続する機能。親機(アクセスポイント)が必要。Wi-Fi 6(801.11ax)対応が中心だか,さらに早いWi-Fi6Eも出始めている。
- Wi-Fi Direct対応:無線LANルータがなくても対応するWi-Fi機器(プリンタなど)と接続する機能
- NFC:近距離(触れるぐらい)で通信をおこなう規格。Bluetoothのペアリングなどで使う。
- LAN:有線でネット接続する接続口。
- SIMフリー対応:SIMを入れてパソコンが携帯の電波に直接ネット接続可能かどうか
- SIMカード:SIMカードのタイプ
- チューナー:テレビの視聴/録画機能。最近はほとんどついていない
- サイズ・重量 ◎:持ち歩くことも考えるなら,重量は重要。2kgを超えるといつも持ち歩くのはつらい。
- エコマーク:作る際,捨てる際に環境への負荷が低い事。
- カラー:ガワの色
- 各種ベンチマーク:CPU処理速度の目安。
価格.com - ノートパソコンの選び方:http://kakaku.com/pc/note-pc/guide_0020/
パソコンの選び方と買い方:http://pcinformation.info/
インターネット接続方法(復習)
会社や家庭などでインターネットに接続する手段としては
- プロバイダー契約し,固定回線(光ファイバなど)で接続 (プロバイダと回線の両方の契約が必要)
- モバイルデータ通信会社(携帯キャリアなど)と契約し,モバイルルータなどで接続 (モバイルルータの代わりに携帯・スマホを使うテザリングもある)
- 既にインターネット接続されている所(本社など)と専用線で接続
- マンションやケーブルテレビの付加サービスで接続
などがある。(会社では1,2,3が,家庭では1,2,4が一般的)
プロバイダ比較 | 光回線,モバイル回線 - 価格.com: http://kakaku.com/bb/
価格.com - モバイルデータ通信 | 製品情報、価格比較: http://kakaku.com/mobile_data/
"ルータ"とはネットワーク間をつなぐ機器のことだが,ブロードバンドルータ(家庭などでネット接続をするときに使う機器)のことをいう場合もある。
・ルータを使う場合(上記1の場合)
インターネット |
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プロバイダの機器
(モデムやコンバータなど) |
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ルーター |
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PC,
スマホ |
光ファイバーなど |
LANケーブル |
LANケーブルや
無線LAN (Wi-Fi) |
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→ ルータがネット接続(普通は常時接続)をおこない,ルータ経由で複数機器が接続できる。グローバルIP(ネット上の住所)はルータに割り当てられ,パソコンはローカルIP(LAN内のIPで内線みたいなもの)になる。
ルータとパソコン間を無線LANでつなぐ(ルータが無線の親機=アクセスポイント機能を持つ)ものを無線LANルータと呼ぶ。家庭ではこの形態が一般的。
・モバイルルータを使う場合 (上記2の場合でモバイルルータの代わりにスマホを使う機能はテザリングという)
インターネット |
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モバイルルータ |
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PC,
スマホ |
4G(LTE)や5G,WiMaxなど
携帯電話向け電波 |
無線LAN,
USB |
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無線LANにも規格が複数あり,最新はWi-Fi 7 (802.11be)だが,まだあまり普及していない。親機(ルータ)と子機(パソコン,スマホなど)のいずれか古い規格で接続することになる。親機に設定した暗号化,セキュリティを,子機に設定することが必要。
前回(12/17)授業での質問
Q1
2009年のインターネット普及率は75%だったが,現在はどれぐらい? |
総務省の調査によると2023年の個人普及率は86.2%,Internet World Statsによると93.3%。国際比較については次回の授業で解説。 |
Q2 アプリやGoogleでよく「トラッキングをONにしますか?」と出ますが,個人情報が抜かれることはありますか? |
サイトを訪問した際の情報(Cookie)を利用することで,その人に合った広告などを表示する仕組み。閲覧サイトやそこで入力した情報が相手側に渡ることになる。 |