産業心理学(6)
成功しやすい人とは? (パーソナリティ,タイプA行動パターン,肯定的自己概念)
成功・失敗の原因は?
内的 外的 安定 能力 課題 不安定 努力 運
タイプAが不利なのは
- 忍耐力,注意力,思慮深い判断が必要な場合
- 他者に対して寛容でなく,攻撃的
- 健康面(冠状動脈疾患)
→ 上級管理職には向かない
肯定的な自己概念(職業人としての能力に自信を持ち,自らを望ましい人間だと見なしている人)ほど,高い志気,強い動機を持って仕事に臨むことができ,成功を収める機会も多い。
“自尊感情の高さ”と“就職活動の成果”の関係に関する調査(エリスら)
→ 自尊感情が低いと,友人等の情報源を有効に活用できず,積極的に応募する姿勢が欠けており,実際の面接場面の評価も低い。
→ 自尊感情が低い(否定的自己概念)人の場合,外的要因を重視することで課題を遂行に近づく
何かをする前にあらかじめ,いいわけをする人が多い
達成動機(achievement motive):障害を克服し,卓越した基準を設定し,できるだけ独力で自己の力を発揮してその基準に到達しようとする動機。成功を期待する気持ちと失敗をおそれる気持ちの合成された動機
成功を期待する気持ちが強い人は,困難すぎる課題ややさしすぎる課題を避ける。
仕事を通して個人生活や社会生活のためのなんらかの目的を果たそうとするためである.こうした働こうという動機を持つことをワーク・モチベーション(work motivation;仕事への動機づけ)という.
以下の3タイプの動機づけをあわせて仕事をする
- 経済的動機
- 社会的動機
- 自己実現動機
業績(Performance)=能力(Ability)×動機づけ(Motivation)
外発的動機づけ(extrinsic motivation):人(や動物)を活動させるには外部からの報酬(reward)や罰(punishment)を与えることが必要.本来怠け者であってなにか動因(drive)がないと自ら進んで活動しない.
内発的動機づけ(intrinsic motivation):人(や動物)は本来活動的で,環境との交渉を積極的に行って自らの有能さを発揮しようとし,効果的・創造的に活動することに快感を覚え,その快感が報酬となって活動を進めるというもの.
マズローの5段階説:低次欲求が満たされるにつれ高次欲求が出る
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 所属と愛の欲求
- 自尊欲求
- 自己実現欲求
アルダーファのERG理論(3つが同時並行することもある)
- 生存欲求(Existence)
- 関係欲求(Relatedness)
- 成長欲求(Growth)
ITmedia Biz.ID:第10回 「欲望」はマイナスのエネルギーじゃない:
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0607/10/news015.html
経済的動機づけ:仕事や職業を選ぶ場合,衣食住など生活に欠かせないものをえるのに必要な収入を求めるだけでなく,できるだけ豊かで余裕のある生活を楽しめるような経済的条件を求める.また,そうした条件が,一時的でなく継続的に得られ,より高い生活水準が維持できることを期待する.
「科学的管理法」(テイラー)の中で,出来高払制度と時間研究によって管理することで生産性をあげ,ワークモチベーションを高めている.
ホーソン研究:照明の変化による作業能率の実験をしたが,元に戻しても作業能率が向上した.
→ 実験に参加しているという誇り,責任感,実験者との友好的な協力関係によるもの公式,非公式組織の中で人々はある種の人間関係を形成し,それが仕事に影響を及ぼす
エルトン・メイヨー ホーソン実験|世界のビジネスプロフェッショナル 思想家編|ダイヤモンド・オンライン:
(http://diamond.jp/series/bizthinker/10033/)
個人と個人(対人的)コミュニケーション,個人と集団(組織)のコミュニケーションとも「高度に効率的な集団」を形成するのに必要.
リーダーシップ:特定の集団成員が,集団の課題解決ないし,目標達成機能と集団過程維持に関して,他の集団成員よりも,これらの集団機能により著しいなんらかの継続的で積極的な影響を与える,その集団成員の役割行動.
リーダの持っている「力」=「社会的勢力」とは (フレンチ,イレブン 1959)
- 報酬勢力:リーダが部下に対して昇進・昇級・やりがいのある仕事などの報酬を与えることができるという部下の認知にもとづいて成立
- 強制勢力:部下がリーダーの意向に反したり,逆らったりした場合に,部下を役職から外したり,仕事を取り上げたりするといった罰を与えることができるという部下の認知にもとづいて成立
- 正当勢力:リーダーは部下に対して命令や指示を与える正当な権利があるという部下の認知にもとづいて成立
- 専門勢力:リーダーがある仕事の領域において専門的な知識や技能をもっているという部下の認知にもとづいて成立
- 準拠勢力:部下がリーダーを尊敬したり,強い魅力を感じたり,リーダーのようになりたいと同一視することによって成立
リーダーシップの行動様式
リーダーのタイプ 行動 結果 専制型仕事の方針をリーダーが一方的に決定し,仕事の見通しをメンバーたちに与えず,仕事の分担もリーダーが指示した。メンバーたちに対する評価は,個人的で主観的なものであった。 リーダーへの依存的な行動が多い反面,リーダーに対する不平不満も多く見られた。 民主型仕事の見通しをメンバーたちに伝え,仕事の方針や分担をリーダーの援助の元にメンバーたちに決定させた。メンバーたちに対する評価は,客観的で事実に即するものであった。 仕事に関する友好的な会話が多く,意欲的で,リーダーが不在の時でも積極的な活動がみられた。 放任型仕事の方針を示さず,メンバーたちの自由に任せ,仕事の見通しや分担もいっさい伝えない。メンバーたちが質問したときのみ答えた。メンバーたちに対する評価も,求められない限り,自発的にすることはなかった。 リーダーによる積極的な指示がなかったので,知識を求めることが多く,仕事の能率や質が悪かった。 リーダーシップPM理論
- P機能(集団目標達成機能 Performance function)
- M機能(集団維持機能 Maintenance function)
PM理論 PM Theory of Leadership || INVENIO LEADERSHIP INSIGHT:
(http://leadershipinsight.jp/dictionary/words/pm_theory_of_leadership.html)
マクレガーのY理論・・仕事で心身を使うのは人間の本性で,遊びや休憩の場合と同じである.外からの統制だけが企業目標達成に向けての手段ではなく,自分が参加して決定した目標達成のためには自ら責任を果たし,自己統制する.(←→X理論)
自己実現動機:仕事を通しての精神的成長や充実感・達成感